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2008年3月 6日 (木)

読書のドライブ

天気が悪かった。四十肩で腕の自由がきかない。カゼもなかなか治らない。

悪条件が重なって1~2月は家にこもる日が多かった。今年から海釣りとシーカヤックを始める予定でいたのだが、四十肩が治るまで1年近くかかるという。

鬱々と毎日をおくる一方で思わぬ収穫もあった。それは、読書の習慣が復活したこと。

インターネットは便利だが際限がない。結果的に多くの時間を浪費することになる。断片的な情報の寄せ集めなので印象も散漫、疲労感も大きい。

一方、本には物としての確かな質感がある。最後のページまで読み通したあとの達成感もある。

東京の職場に通っていた頃は通勤時間が読書タイムだった。沖縄で電車に代わるものはクルマ。大きくリクライニングするシートは読書に最適だ。静かな場所を求めて自由に移動もできる。カーステレオでBGMも聴ける。読書の環境として申し分ない。

図書館で借りた本とiPodを持ってクルマに乗り込む。向かった先は山麓の駐車場。クルマを停めて窓を開け、助手席のシートを倒れるところまで倒す。淡く彩られた新緑の木々がフロントガラスいっぱいに広がっている。

本のタイトルは「八月の路上に捨てる」。飽きずにサラッと読めるのがいい。離婚に至る夫婦の描写が読んでいて身につまされた。

目が疲れると、本のページから山の新緑に視線をのばす。車内の4つのスピーカからキース・ジャレットの"The Melody At Night, With You"が流れている。しばし目をつむり、音楽に聴き惚れる。

中年ともなると、新たな楽しみとの出会いはそうあるものではない。今日のドライブは、楽しみを得る機会が身近に眠っていることを教えてくれた。

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コメント

人生に必要なもの、

「一人の友」「一つの思い出」「一冊の本」

と、五木さんは書かれておりました。

リタイア後、“何をすべきかわからない”と多くの人は悩むようです(その結果汲々と社蓄生活を続けるわけですが…)。至福の空間における“読書”とはなんと心豊かな時でしょう。う~む、うらやましいっす。

投稿: 林住期 | 2008年3月15日 (土) 10時32分

コメント、ありがとうございます。もっぱら移動の手段として捉えていたクルマですが、「移動ルーム」としても活用できることに最近気づきました。本と新緑の組み合わせは目にやさしくてクセになりそうです。期間限定なのが残念ですが・・・。

投稿: tokajar | 2008年3月15日 (土) 12時25分

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