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2008年6月23日 (月)

雪と煙

梅雨が明けて、沖縄に酷暑の夏がやってきた。気温はそれほどでもないが、湿度が高いのがこたえる。散歩タイムの日没後の1時間を除き、エアコンの効いた室内に引きこもる毎日。

この季節になると内地の高原や北海道が恋しくなる。昔撮ったSL(蒸気機関車)の写真をパソコンのモニターで眺めた。雪景色の写真も多い。夏の沖縄ではとりわけ美しくみえる。

撮影したのは30数年前。当時はまだ中学生でSLに夢中だった。学校が休みになるたびにSLを求めて日本各地を旅行した。高校に入ってSLが全廃になると、それまでの情熱は一気に冷めてしまった。そして、100本を超えるフィルムだけが手元に残った。

2年前、SLのフィルムをスキャナでデジタル化してパソコンに取り込んだ。カビが生えているネガもあったが、ソフトで修正できることがわかってホッとする。デジタル化が写真に与えた恩恵ははかりしれない。

スキャンしたフィルムのコマをチェックしていくうちに、あることに気がついた。線路の近くで撮影した写真では、力強く煙を上げてドレンを切っている(シリンダーの蒸気を両サイドに吐きだしている)SLが多いのだ。出発後はそうなることが多いが、それ以外の場所でも少なからず見られた。

これはサービスだと思った。SLマニアの中学生にカッコイイ写真を撮らせるために、機関士が蒸気を制御して演出してくれていたのではないか。

撮影時にそれを認識していたかどうかは定かでない。おそらく、無邪気に喜んでいただけだろう。今日はカッコイイ写真が撮れてラッキーだったなどと悦に入っていたにちがいない。

手を振って感謝の気持ちを伝えたくても機関士はもういない。そんなことをこれまで繰り返してきたような気がする。

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只見線・会津塩沢。1973年12月撮影

*雪とSLをテーマにした写真セット"Snow & Smoke"をFlickrにアップしました。

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