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2009年2月

2009年2月21日 (土)

石川岳に登る

山と渓谷社の「沖縄県の山」で紹介されている沖縄本島の山でまだ登っていない山があった。うるま市と恩納村の境界にある石川岳だ。沖縄本島がもっとも狭くなっているエリアに位置している。標高は204メートル。ほとんど丘陵のレベルだが、複数の登山コースが整備されていて楽しめそうだ。

登山コースは石川少年自然の家が起点となっている。今回はそのすこし先にある石川市民の森公園をスタート地点に選んだ。

舗装された遊歩道を数分歩くと「城の展望台」に着く。上まで登ると沖縄本島がキュッとくびれている一帯が見渡せた。東シナ海と太平洋がひとつの視野に収まる光景は新鮮だった。

ここから山に入る登山道が延びている。左側は開けた斜面になっていた。木々の緑が目に心地よい。早くも山登りモード全開という感じ。

ほどなく分岐点につく。石川岳にはA、B、Cの3つの登山コースがあり、少年自然の家を起点にしてそれぞれ右回りで周遊する。今回は、Cコース(約3km)を左回り(反時計回り)で歩いてみることにした。

稜線上の道をしばらく行くと分岐がある。右へ折れると道は下りになった。傾斜が急になったあたりで「無言の坂」という標識を見つける。きつい登りで会話も途絶えて黙々と足を運ぶということなのか。

さらに進むと、沢に向かって急斜面を下りていく。道沿いにはロープが張られていた。下りきったところが「友愛の池」。ここから沢登りコースが始まる。

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最初の関門の「岩越の滝」。岩の脇にはロープが張られている。

小さな滝を越えればあとはラク。この日は水も少なく、靴を濡らさずに石の上を歩くことができた。周囲の景観を楽しみながらの快適な沢歩き。

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沢から離れて道は登りになる。まもなく「ターザン広場」に到着。ネーミングどおり、ターザンごっこ用のロープが木に結ばれている。

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ここでBコースと合流する。道はゆるやかな登り坂。周囲はしだいに深山の様相を帯びてきた。二百メートルの丘陵地帯とは思えない。「原始の森」という標識が目にはいる。

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道は徐々に高度を上げて稜線にでる。ところどころで視界が開け、金武湾とうるま市の街並みが見わたせた。

最短コースのAコースとも合流し、「息切れの坂」にさしかかる。急斜面なので慎重に足を運ぶ。ここは登りのほうが歩きやすいかも。

坂を下りきって沢にかかる橋を渡る。幅のある未舗装の道にでた。左に進むと少年自然の家。右に進んで石川岳山頂を目指す。道は細くなり、樹林のなかを登っていく。前方にやぐらのようなものが見えてきた。石川岳の山頂だった。

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恩納岳方面の眺望
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金武湾とうるま市の街並み

山頂から数分下ると「城の展望台」への分岐点に着いた。これでCコースを一周したことになる。写真を撮りながら歩いたせいもあるが、すでに2時間半が経過していた。

石川岳のCコースは変化に富み、予想以上に歩き甲斐のあるコースだった。沖縄の山は標高からは語れないと改めて感じた。

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2009年2月14日 (土)

ジュゴンの見える丘

今年の冬はおかしい。2月の沖縄といえば1年で日照時間がもっとも少ないハズ。それが晴れまくりなのだ。気温も上がり、Tシャツで十分だったりする。

山へ行きたかった。日差しを浴びて輝く木々の緑を眺めながら山を歩きたかった。しかし、仕事で時間がとれない。土曜になってやっと休めると思ったら、空はどんより曇っている。午後から雨も降るらしい。

山へ行くかわりに市民会館で映画を観ることにした。沖縄出身の女性歌手Coccoのドキュメンタリー映画だ。タイトルは「大丈夫であるように」。

映画が始まり、沖縄の田舎町を歩くCoccoの姿が映しだされる。路上の子供に気軽に声をかけ、知り合いの家を訪ねたりする。

Coccoについての予備知識はほとんどなかった。映画での第一印象は笑顔が似合う気さくな沖縄のネーネーという感じ。その印象は映画が進むにつれて微妙に変わっていく。

たとえば、青森でのライブで六ヶ所村の核再処理施設について知らなかったことを泣きながら地元ファンに謝るシーン。ピュアでひたむき、そして他者の痛みに敏感なメンタリティーを感じた。

ライブツアーでの沖縄訛りの語りくちも印象に残った。自分のことを「あっちゃん」と呼び、朴訥でとりとめのないようにも聞こえる。が、聴き手の心をガッチリと掴み、次に歌う曲へと会場の空気を導いていく。天性のエンターティナーだと思った。

映画では、Coccoたちが辺野古の有刺鉄線にメッセージ入りの短冊を結ぶ姿も映しだされる。無骨な鉄条網がカラフルに彩られ、平和への祈りを象徴する美しいシーンだった。

映画が終わって外に出ると、路上に水溜まりができていた。目の前にはライトブルーの名護湾が広がり、海に向かって堤防がカーブを描いている。

映画のなかでCoccoが歌った「ジュゴンの見える丘」の歌詞が妙に心に残っていた。堤防の先端に向かって歩きながら、祈りのメッセージのようなそのフレーズを頭のなかで反芻していた。

悲しみはいらない
やさしい歌だけでいい

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