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2009年2月14日 (土)

ジュゴンの見える丘

今年の冬はおかしい。2月の沖縄といえば1年で日照時間がもっとも少ないハズ。それが晴れまくりなのだ。気温も上がり、Tシャツで十分だったりする。

山へ行きたかった。日差しを浴びて輝く木々の緑を眺めながら山を歩きたかった。しかし、仕事で時間がとれない。土曜になってやっと休めると思ったら、空はどんより曇っている。午後から雨も降るらしい。

山へ行くかわりに市民会館で映画を観ることにした。沖縄出身の女性歌手Coccoのドキュメンタリー映画だ。タイトルは「大丈夫であるように」。

映画が始まり、沖縄の田舎町を歩くCoccoの姿が映しだされる。路上の子供に気軽に声をかけ、知り合いの家を訪ねたりする。

Coccoについての予備知識はほとんどなかった。映画での第一印象は笑顔が似合う気さくな沖縄のネーネーという感じ。その印象は映画が進むにつれて微妙に変わっていく。

たとえば、青森でのライブで六ヶ所村の核再処理施設について知らなかったことを泣きながら地元ファンに謝るシーン。ピュアでひたむき、そして他者の痛みに敏感なメンタリティーを感じた。

ライブツアーでの沖縄訛りの語りくちも印象に残った。自分のことを「あっちゃん」と呼び、朴訥でとりとめのないようにも聞こえる。が、聴き手の心をガッチリと掴み、次に歌う曲へと会場の空気を導いていく。天性のエンターティナーだと思った。

映画では、Coccoたちが辺野古の有刺鉄線にメッセージ入りの短冊を結ぶ姿も映しだされる。無骨な鉄条網がカラフルに彩られ、平和への祈りを象徴する美しいシーンだった。

映画が終わって外に出ると、路上に水溜まりができていた。目の前にはライトブルーの名護湾が広がり、海に向かって堤防がカーブを描いている。

映画のなかでCoccoが歌った「ジュゴンの見える丘」の歌詞が妙に心に残っていた。堤防の先端に向かって歩きながら、祈りのメッセージのようなそのフレーズを頭のなかで反芻していた。

悲しみはいらない
やさしい歌だけでいい

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