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2010年3月15日 (月)

最後の秘境

最近は仕事がなくてヒマだ。買いためた本を読破するとか仕事関係の勉強をするとか、やるべきことはいろいろあるのだが、なぜか食指が動かない。

仕事はいずれまた忙しくなるだろう。この暇な時間をすこしでも有効に活用したい。そこで思いついたのが大腸の内視鏡検査を受けることだった。

6年前の大腸検査では小さなポリープが2つ見つかった。4年前の検査では異常なし。それ以後は受けていなかったので、そろそろ潮時かと思っていた。

ネットで見つけたクリニックに電話すると、午前中の早い時間に来院して診察を受け、そのあと下剤を飲んでから午後に検査を行うという。1日つぶれることになるので、胃の内視鏡検査もあわせて受けることにした。

胃と大腸の内視鏡検査。どちらもけっしてラクな検査ではない。それを1日で両方やる。しかも初めてのクリニックで・・・。不安がなかったといえばウソになる。

クリニックに着き、午前中に胃の内視鏡検査を受けた。今回は鼻から挿入する方式。従来のやり方と比べると、オエッとくる感覚がすくない。思いのほかあっけなく終わり、まずはホッとする。小さなポリープがあったことを除けばとくに問題はないということだった。

安堵の余韻にひたる間もなく、2リットルの下剤を飲み干すという苦行が待ち受けていた。前回は全部飲むのに苦労したが、今回はグビグビ入っていく。この4年間で下剤も進歩したのかもしれない。早めに飲み終わったので"おかわり"を注文したら、水を飲むように言われた。

下剤の内服後は検査着に着替えて控え室で待つ。検査着のパンツは尻の部分が割れている。昔、旅先のアジアの国で子供がこんな尻割れズボンをはいていたっけ。あれはインドだったか中国だったか。そんなことを考えていたら若い看護師に名前を呼ばれた。

ベッドに横向きに寝ると、目の前に液晶のモニタ画面がある。あっと思った瞬間、ファイバースコープが腸内に挿入されていた。モニタ画面に自分の直腸が映し出される。ピンク色に輝いて美しい。曲がりくねった洞窟を分け入るようにして、内視鏡が腸内深く進んでいく。

ほどなく、内視鏡は細く入り組んだ小腸を映し出す。大腸の内視鏡検査はこのあたりが終点らしい。到達までの時間はわずか数分だった。痛みはほとんどなかった。

結局、検査では小さなポリープが1つ見つかり、内視鏡で切除した。検査後、なかなか手強い腸だったと医師に言われた。曲がりくねっていたらしい。性格が腸に表れているのか、それとも腸が性格を形作っているのか。

会計を待ちながら、子供の頃に観た「ミクロの決死圏」という映画を思い出していた。同時に、自分の腸に不思議な感動を覚えた。もっとも身近で未知なる自然。人間の肉体こそが最後に残された秘境なのかもしれない。

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