« カフェイン依存症 | トップページ | 猪垣の山 »

2010年4月 6日 (火)

干潮の浜

細くデコボコの農道を海へ向かって慎重に下りていく。海辺に着き、クルマを停めてビーチに向かう。視界が開けてライトブルーの海が目の前に広がる。内地からの訪問者が歓声をあげる。

そんなシナリオを頭に描いて、その日も古宇利島へ向かった。細くデコボコだった農道はいつの間にか舗装されている。ピカピカの道をクルマは軽快に駆け下りる。沿道には新しい家も建っていた。移住者が住んでいるのかもしれない。

クルマを停めてビーチに出た。以前来たときに見た、目の覚めるようなライトブルーの海は姿を消していた。あちこちに岩が露呈し、浅い水溜まりのような海がのっぺりと広がっている。

ガッカリした。潮時表を確認しないで来たことを悔やんだ。せっかくの穴場ビーチもこれでは形無しだ。

潮が引いた海で何かを採っている人たちがいた。浅瀬のかなり先まで行っている。エモノを見たい気もしたけど、簡単にはたどり着けそうもない。

かわりに近くの潮だまりを覗いてみた。黒くて大きいナマコがゴロゴロしている。ウニもいた。沖へ向かって岩礁の上をさらに進む。海底には小さなサンゴが点在している。その脇を青い小魚が泳いでいた。

S100331d4_04ee

干潮の海は、それまで存在を意識することがなかった生命で満ちあふれていた。観賞する海は潮が引いたことで体験する海へと変貌した。ナマコは美ら海水族館で触わることもできるけど、自然のフィールドに勝るものはない。

ビーチを振り返ると、同伴者はシーグラス集めに熱中している。波に洗われて角が丸くなったシーグラスは海が育んだ芸術品。浜辺でアート観賞ができるのも干潮時の恩恵といえるかもしれない。

満ちてよし、引いてまたよし。ビーチをあとにクルマへ戻る頃にはそんな気持ちになっていた。

S100331d4_07e

|

« カフェイン依存症 | トップページ | 猪垣の山 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« カフェイン依存症 | トップページ | 猪垣の山 »