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2010年11月24日 (水)

せせらぎに眠る

いまのアパートに引っ越してちょうど1年になる。家賃は同じでも住環境は以前より明らかに良くなった。窓からは海が見えるし、角部屋なので風通しがいい。西日がもろに当たるので夏はエアコン代が大変と思ったけど杞憂だった。夏のピーク時でも電気代は去年より3千円ほど安くなった。

そんなわけで引っ越しは吉と出たのだが、不満がまったくないわけではない。それは音の問題だ。

壁を通してテレビの音が聞こえてくる。最初は隣の家かと思った。実際は階下の部屋が音源らしい。それほど大きな音というわけではない。が、いったん意識しはじめるとウルサク思えてきた。「騒音」ではなく「煩音」。

もともと音には神経質なタチらしい。床を引きずる音、近所の犬の吠え声、階下で子供があげる喚声etc。過去の賃貸暮らしでも音は常に悩みの種だった。

もちろん、集合住宅に住む以上、ある程度の生活音はガマンするしかない。気がつかないだけで自分が騒音源になっている可能性もある。概して他人から受ける害には敏感でも自分が与える害には鈍感だったりする。

ウルサイと感じるときは自衛策をとるしかない。ノイズキャンセリングヘッドホンを付けて音楽を流せば、ほとんどの音は気にならなくなった。

問題は就寝のとき。階下の住人は宵っ張りらしい。零時を過ぎてもテレビの音がやまないときがある。ヘッドホンを付けたまま寝るわけにはいかないので対策を考えた。枕元のスピーカーから「せせらぎ」のBGMを流してテレビの「煩音」を塗り込めてしまうのだ。

さっそくネットでフリーの音源を探してダウンロードする。「せせらぎ」の音ならリラクゼーション効果も高そうだ。1時間後にBGMが止まるようにiPodのスリープタイマーをセットする。

目を瞑ると、谷川の清冽な水がポチャポチャと耳元を流れていく。頭上では鳥が鳴いている。河原にテントを張って寝ているみたいだ。自然が奏でる生命のシンフォニー。耳を澄ますとほかにも音が聞こえてくる。そう、あれは宵っ張りのテレビの音・・・。

「煩音」を塗り込めるためにiPodのボリュームを上げる。谷川の水かさが急に増した。アウトドア気分は高まったものの安眠できそうな雰囲気ではない。このまま寝たら土石流に襲われる夢をみるかもしれない。

せせらぎの音が突然消えた。1時間経過したのだ。耳を澄ますとテレビの音もやんでいた。

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コメント

思わず、にやりとさせて頂きました。
土石流にまきこまれなくて何よりです。

うちは羽地で静かですが豚&鶏の匂いに悩まされてます。

投稿: みぞゆう | 2010年12月 1日 (水) 12時06分

臭いは風向きによる影響もありそうですね。それにしても、住環境によって悩みの種もさまざまですね。あちらを立てればこちらが立たずみたいな・・・。

投稿: tokajar | 2010年12月 1日 (水) 22時59分

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