« PAJERO MINI ラストラン | トップページ | レイニーブルー »

2015年4月 4日 (土)

着陸に向けて降下

音楽を聴きながら眼下の雲海を眺めていると、イヤホン越しに客室乗務員のアナウンスが聞こえてきた。那覇空港への着陸に向けて飛行機はまもなく降下態勢に入るという。

このアナウンスを聞くたびに、ああ、そろそろだなと心の身支度を始める。同時に、頭の中でスイッチが切り替わる。それまで居た場所から旅の目的地へと意識がシフトするのだ。すなわち、桜咲く東京から新緑の沖縄へ。

高度が下がると、雲が晴れて地上を俯瞰できるときもある。大浦湾、辺野古、金武湾、海中道路――地図で馴染んだ沖縄本島のカタチがくっきりと視野に飛びこんでくる。

地上の景観を目で追っていると、人生の最終到達地に向けて自分も降下態勢に入っていることに思い至った。

上昇気流に乗って高揚感に浸ることはもうないだろう。それでも、雲に遮られて見えなかった地上の眺めを今ならクリアに俯瞰できる。どこに何があり、そこへ行くにはどうすればよいか。そこは、限られた時間と労力を費やして行くべき価値がある場所なのか。

死という人生の最終到達地に向けた心の身支度。それは、余分なものを排除していく作業にほかならない。自分にとって必要なものだけを残したシンプルな環境に身を置けば、ひそやかに充足した日々を送れそうな気がする。

那覇の市街地が見えてきた。飛行機は着陸に向けて最終態勢に入っていた。亜熱帯の湿気を帯びた空気がもうすぐ迎えてくれる。そう思うと嬉しかった。

S150401gr_03e

|

« PAJERO MINI ラストラン | トップページ | レイニーブルー »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« PAJERO MINI ラストラン | トップページ | レイニーブルー »