憧れの赤い鳥
野鳥の撮影を始めて1年半。撮影の回数を重ねることで、鳥の鳴き声もだいぶ分かるようになった。なかには、一度聞くと耳にこびりついて離れない鳴き声もある。キョロロロ~と尻下がりに鳴くアカショウビンだ。
アカショウビンは憧れの鳥だった。田中一村が描いた美しく神秘的な鳥。そのイメージが脳内で膨らんでいたのかもしれない。この夏はぜひともカメラに収めたいと思っていた。
鳴き声はよく耳にするのだが、それを頼りに見つけるのは難しい。時間をかけて居場所に近づいても、相手が先にこちらを見つけて飛び去ってしまうことが多い。
やんばるの林道で谷間を見下ろすと、近くの木の枝に留まっていたことがあった。このときも、こちらの存在に気づくやすぐに飛び去ってしまった。
そのあと別の木に留まってくれた。ついに悲願達成
Nikon D5500 + Nikon AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR + AF-S TELECONVERTER TC-14E III
かと思えば、アカヒゲの撮影中に突然舞い降りてきて近くの木に留まったこともあった。間近で眺める深紅のアカショウビンは美しく、神々しく輝いていた。
テレコンは使わずにD500の1.3倍クロップで撮影
Nikon D500 + Nikon AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR
アカショウビンを撮るという所期の目的は達成したものの、いずれも偶然の産物だった。その後も、やんばるの林道でキョロロロ~という鳴き声を聞くたびにソワソワし、耳をそばだてながらウロウロすることの繰り返し。この夏、3度目の幸運は訪れてくれるだろうか。